Claude Code の管理者設定(managed settings)を全社に配る方法
結論
- 管理者設定は
settings.jsonと同じ形のポリシーを、サーバー、MDM、ファイル、HKCU レジストリのいずれかで端末に届ける仕組みです。 - MDM のない端末や Linux では、OS ごとの決まった場所に
managed-settings.jsonを置く方法が手早いと、公式ドキュメントは説明しています。 - 配布後は
/statusとclaude doctorで確認します。クラウドセッションなど、届かない範囲がある点にも注意が必要です。
何ができるか:管理者設定と4つの配布方法
Claude Code(Anthropic 社が提供する、ターミナルで動く AI コーディングエージェント)には、管理者が端末にポリシーを配る managed settings(管理者設定)があります。公式ドキュメントによると、どの配布方法でも settings.json と同じポリシーのキーを使えます。本記事は執筆時点(2026年10月)の公式ドキュメントだけを根拠にしています。導入前に最新の内容を公式ドキュメントで確認してください。
配布方法は次の四つです。
- サーバー管理:claude.ai の管理コンソール、または自社運用の Claude apps gateway で配ります。起動時に取得し、1時間ごとに確認します。各端末に触れず一か所で変更したい場合向けです。
- MDM または OS レベルのポリシー:macOS の構成プロファイルや Windows の
HKLMレジストリ値を、Jamf、Intune、グループポリシーなどで配ります。起動時に読み、30分ごとに変更を確認します。 - ファイル:各端末のシステムディレクトリに
managed-settings.jsonを置きます。起動時に読み、ファイルが変わると再読み込みします。MDM のない端末、Linux、自作イメージ向けです。 - HKCU レジストリ(Windows と WSL):
HKLMに書き込めない場合の選択肢です。上位に管理者ドキュメントがないなど、条件が合うときだけ使われます。
MDM プロファイル、ファイル、claude.ai の管理コンソールは、届いた全員に同じポリシーを適用します。グループごとに変えたい場合は、そのグループに別のファイルやプロファイルを配ります。claude.ai の管理コンソールはまだグループを指定できません。自社運用の Claude apps gateway は IdP グループごとに配れます。
複数の方式が同じ端末に届くと、既定では一つだけが使われ、残りは無視されます。優先順位は公式ドキュメントで確認してください。
ファイルで配る手順
公式ドキュメントによると、各端末にポリシーを置く最も手早い方法が managed-settings.json です。手順は三つです。
1. ファイルを書く
強制したいキーを、settings.json と同じ JSON の形で書きます。次の例は、二つのファイルの読み取りを拒否し、bypass モードを無効にします。さらに、ユーザー、プロジェクト、ローカルの各ファイルと --allowedTools の権限ルールを Claude Code に無視させます。
{
"permissions": {
"deny": [
"Read(./.env)",
"Read(./secrets/**)"
],
"disableBypassPermissionsMode": "disable"
},
"allowManagedPermissionRulesOnly": true
}
2. 各端末に置く
OS ごとのシステムディレクトリに、managed-settings.json の名前で保存します。配置には、すでに使っているファイル配布の仕組みを使えます。
- macOS:
/Library/Application Support/ClaudeCode/managed-settings.json - Linux と WSL:
/etc/claude-code/managed-settings.json - Windows:
C:\Program Files\ClaudeCode\managed-settings.json
3. 適用を確認する
まず1台で、Claude Code 内で /status を実行します。Setting sources の行に Enterprise managed settings (file) と表示されます。確認できてから、残りの端末に展開します。
チームごとにファイルを分ける
複数のチームがポリシーの一部ずつを持つ場合は、共有ファイルを編集する代わりに、managed-settings.json と同じディレクトリの managed-settings.d/ に部分ごとのファイルを置けます。Claude Code は managed-settings.json を先に、次に *.json を英数字順に統合します。10-telemetry.json と 20-security.json のように数字の接頭辞で順序を決められます。
同じキーが複数のファイルにある場合の扱いは次のとおりです。
- 単一の値:後のファイルの値が前の値を置き換えます。
- リスト(
permissions.denyなど):二つのリストが、重複を除いて結合されます。 - 入れ子のブロック(
envやsandbox):キーごとに統合され、中のキーも同じ規則に従います。 fallbackModelとmodelPicker:後のものが全体を置き換えます。
反映の確認と、うまくいかないとき
公式ドキュメントでは、端末で /status を実行して Setting sources の行を読むこと、claude doctor で破棄された項目を見ることを案内しています。Enterprise managed settings の後ろの括弧で、選ばれたソースが分かります。
(remote):claude.ai またはゲートウェイのサーバー管理設定(plist)または(HKLM):MDM または OS のポリシー(file)、(drop-ins)、(file + drop-ins):ファイル、ドロップインのディレクトリ、またはその両方
行が出ない場合は、ポリシーを配るキーを持つ管理ソースが見つかっていません。ファイルが OS ごとの場所にあるか、制御キーだけでなくポリシーのキーを含んでいるかを確認します。別のソース名が出る場合は、優先順位の高いソースが使われています。Skipped sources の行に名前が出ます(Claude Code v2.1.242 以降が必要です)。
管理設定ファイルが有効な JSON でない場合、Claude Code は起動を拒否します。他の管理ソースが正しいポリシーを配っていても同じです。展開前に JSON の構文を確認してください。
配る前に知っておく注意点
- クラウドセッション:Anthropic が運用する環境のセッションは、端末の MDM プロファイルやファイルを読みません。そのポリシーはサーバー管理から届ける必要があります。
- Cowork:Claude Desktop の Cowork のセッションは、Team や Enterprise アカウントでサインインしていても、claude.ai の管理コンソールからサーバー管理設定を取得しません。端末上で動く場合は、その端末の MDM とファイルが読まれます。
- 長く開いたままのセッション:
requiredMinimumVersionは古いバイナリの起動を止めますが、すでに動いているセッションは終了させません。 - 無効な値:管理設定の値が検証に失敗すると、直せる項目は除かれて警告され、直せない値は破棄されます。ただし
allowManagedPermissionRulesOnlyのような制限的なキーは、読めないとその制限の値として扱われます(Claude Code v2.1.282 以降が必要です)。 - 管理者専用キー:
strictKnownMarketplacesなど一部のキーは管理ソースからだけ読まれ、ユーザー設定に書いても効果がありません。 - 旧パス:Windows の
C:\ProgramData\ClaudeCode\managed-settings.jsonは読まれません。
よくある質問
managed-settings.json はどこに置きますか?
公式ドキュメントによると、macOS は /Library/Application Support/ClaudeCode/managed-settings.json、Linux と WSL は /etc/claude-code/managed-settings.json、Windows は C:\Program Files\ClaudeCode\managed-settings.json です。
ポリシーが効いているかは、どう確認しますか?
端末で Claude Code 内の /status を実行し、Setting sources の行を見ます。ファイルの場合は Enterprise managed settings (file) と表示されます。破棄された項目は claude doctor で確認できます。
claude.ai の管理コンソールで、特定のグループだけに別のポリシーを配れますか?
公式ドキュメントによると、claude.ai の管理コンソールはまだグループを指定できません。グループごとに変えるには、別のファイルやプロファイルを配るか、自社運用の Claude apps gateway で IdP グループごとに配ります。
関連する無料ツール
Claude Code 権限設定(settings.json)ジェネレーター: deny / ask / allow のルールを選ぶと、置き場所つきで settings.json を出力します。配る前の設定の下書きに使えます。
参考(執筆時点)
- Deploy managed settings(公式ドキュメント)
この記事は、上の出典の内容を中小DXラボが要約・再構成したものです。仕様は変わることがあります。社内で使う・配る前に、公式ドキュメントで最新の情報を確認してください。